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地球瓶について

2022.11.28

地球瓶について

 

はじめまして。

 

ガラスを多くの方々に知って戴きたい思いとガラスに携わる会社として日本の和ガラスを伝えたいという想いから、書き連ねていく所存です。

 

先ずは、廣田硝子株式会社としての考え方になります。

海外からガラス製造技術を日本に導入されてから、およそ150年もありません。西洋文化を自国に取り入れたい日本として、大正時代には日本のガラス製造技術として大きく開花しました。海外から取り入れたガラス製造技術を日本的な技法や独特な製法で日本独特な和ガラスを作れるようになりました。東京で一番古いガラス食器会社である廣田硝子としては、ガラス食器製造における日本の独特な技術や製法を現在の生活様式に如何に残し次世代に続けることが社会的責務としガラス食器普及促進を目指しております。

 

廣田硝子として、菓子ビンそして地球瓶は大正時代に墨田区に移ってからガラス食器業として深く関わってきました。それはひとえに墨田区錦糸町という地での地場産業で有るお菓子そしていろどりの駄菓子の入れる容器として需要が有ったからになります。

 

今では個装でお菓子が大半を占めておりますが、時は大正時代、個装というものが無く、かつ衛生にお菓子を管理できる当時の素材として、また透明で有ることでのディスプレイとして来店されるお客さんに告知出来る素材としてガラスが選ばれたのではないかと存じます。

海外に目を向けると、フランスではキャンディやクッキーなどカラフルなお菓子も同様にガラス容器に入れられ数々のディスプレイとしてお店を彩られております。日本だけでなく、また容器の形状は違えど使われていると考えております。

 

そのような時代背景である大正から昭和期に活躍した菓子ビンそして地球瓶。

透明で美しく、地球儀のように大きく丸く膨らんだ姿から「地球瓶」と名付けられました。

 

 

日本の主食であるお米から出来るお菓子お煎餅屋さんは煎餅をたくさん詰めた地球瓶を店頭に並べ商売しました。サイズも大小様々あり、煎餅、あられ、など種類によって使い分けられました。球状形である理由は、お客様から見ても中のお菓子が見えやすく選びやすい、また店員さんも手を入れ取り出しやすい、と日本中のお店で重宝され愛されました。

地球瓶の胴部は、その形状に合わせた「鋳物による金型」で成型され、下の台の部分は、熟練した職人の高度な技を必要とする「吹き成型技術」を用います。製作にはガラス職人4人から5人分の肺活量を必要とする程で、1つの地球瓶を作るのに職人が組になって力と息を合わせないとできません。

蓋の部分は、1枚のアルミ板を「ヘラ絞り」という技術を用いて職人によって作製されました。